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インテリアコーディネーター資格試験に合格した話

インテリアコーディネーター資格試験に合格しました。

こちらの試験は公益社団法人インテリア産業協会が主催するもので、合格すると同協会の認定インテリアコーディネーターとして登録することが可能になります。

 

インテリアコーディネーター試験に興味のある方向けにざっくり内容の紹介&試験を受験する方向けに私なりのアドバイスをお伝えしたいと思います。

 

 

インテリアコーディネーターの定義

インテリアコーディネーターの定義は、「インテリアエレメントの流通過程において、消費者に対し、商品選択とインテリアの総合構成などについて、適切な助言提案を行う人」とされています。

 

ちょっと言い回しが小難しいんですが、 

①消費者がイスやデスク、ベッド、カーテン、カーペット、収納、照明、等々を買いたいなーという時に、

②どの商品が良いか

③どのような配置・配色が良いか、

④等のアドバイスしたり提案したりする人

ということです。

消費者が欲しいと言わなくても、「ベッド横にサイドテーブルがあると便利ですよー」みたいな提案をすることも含まれます。

 

試験内容

 

まず、試験は一次試験と二次試験の2段階に別れています。

一次試験はマークシート方式で、ひたすら知識が問われます。

二次試験はプレゼンテーションと論文で、「適切なプラン(計画)を考えて図面で表現する技能」と「知識をもとに、具体的に顧客にどのようなアドバイスをするか」等の一次試験より実践的な能力が求められます。

 

一次試験の合格者だけが二次試験に進めます。

二次試験で落ちた場合、次年度からの3年間は一次試験が免除されます。

私は2017年に一次試験合格、二次試験不合格、

2018年に二次試験合格だったので、合否結果はこんな感じでした。

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※Webで試験に申し込みをするとパーソナルページから合否を確認できるようになるんですが、そのスクショです。

 

一次試験は10月上旬、二次試験は12月上旬です。

一次試験の結果が11月に来るんですが、結果を待ってから二次試験対策をはじめると時間的に厳しいなーという印象です。

 

試験の開催場所は、北海道、岩手県宮城県群馬県、東京都、愛知県、石川県、大阪府広島県香川県、福岡県、沖縄県の12カ所です。

一次試験の合格率は3割、二次試験の合格率は6割くらいのようです。

 

※試験の形式は年々少しずつ変わっているみたいです。

 2018年試験では二次試験の際に持ち込める製図用具が増えて、

 勾配定規が持ち込みOKかつ色鉛筆の本数が12色以内→18色以内までOK

 になりました。

 このお知らせがあった時、「え、今年は勾配定規を使わなきゃいけないのかな?」

 という戸惑いが界隈に流れたんですけど杞憂でした。

 ぶっちゃけ私なんか、いまだに勾配定規の使い方がよく分かりません。

 

一次試験について

 

一次試験はひたすら知識が問われます。

この知識の幅がけっこう広い。

和室の床の間の各部位の名称や、寝殿造・書院造・数寄屋造、の様式、茶室について、西洋のインテリア様式の変遷、ギリシャの柱の様式、アーチの種類、教会の話、この特徴があるイスは◯◯様式、リートフェルトのイス、ミース・ファン・デル・ローエのイス、コルビジェの近代建築5原則、20世紀の有名なイス、適切な寸法の考え方、人の行動特性、浴室設備、モジュラーコーディネーション、住宅の形態、色彩計画、継手はぎ手金具、様々な材料、カーテンのあれこれ、構造や構法、窓やふすまや扉の種類、環境問題、照明計画、輝度と照度、表現技法、関連する各種法律、etc.

 

なんかやたらとイスの話が多かった印象がある。

インテリアの代表格がイスなのかなーと思います。

ヘニグセンのPHランプという照明シリーズがかわいいです。

ゴシック様式の教会にみられる特徴としてフライングバットレスという部分があるんですが、やたらかっこよくて必殺技っぽさがあります。

 

参考書は下記のものを使用していました(ただし第10版)。

しっかり丁寧に幅広く説明してくれています。

難点は、持ち歩くにはちょっと重いこと。 

インテリアコーディネーター1次試験合格教本 第11版 上巻

インテリアコーディネーター1次試験合格教本 第11版 上巻

 
インテリアコーディネーター1次試験合格教本 第11版 下巻

インテリアコーディネーター1次試験合格教本 第11版 下巻

 

 

 

二次試験について 

 

二次試験は最初に書いた通りプレゼンテーションと論文で、「適切なプラン(計画)を考えて図面で表現する技能」と「知識をもとに、具体的に顧客にどのようなアドバイスをするか」等の一次試験より実践的な能力が求められます。

 

まずプレゼンテーションですが、実際に試験勉強していたときの練習写真があるので載せます。

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試験では、「Aさんという顧客がいます。Aさんの要望はXXXXXXXXXです。プラン(計画)を考えて、平面図と断面図とパースを描きなさい。平面図は色も塗って」みたいな感じで出題されます。

実際は、XXXXXXXXXの部分は箇条書きでたくさんの条件が出されます。

条件が把握し切れなくなるので色鉛筆を活用して、①絶対に描き込むアイテム(赤)、②配置の条件(緑)、③照明計画の部分(黄色)、④追加で描き込むと良いもの(水色)と言うふうに印を付けるようにすると良いです。

図面の数と種類は毎年違いますが、どれかひとつに着彩を求められるのは定番です。

 

上の練習の写真から分かるように、そんなに上手じゃなくても合格できるみたいです。

きれいで上手な方が高ポイントだとは思いますが、どうも減点方式っぽいので、「壊滅的なほど汚くない」「読めないほど字が汚くない」「描き忘れてるものがない」「条件を守っていないものがない」という方が合格しやすいのではないかなーという印象です。

それに時間制限がけっこう厳しいので、きれいに描く余裕はない。

 

最初の年の二次試験に落ちた時は、必須アイテムを描き忘れたり床の種類を間違える(コルクボード指定なのにフローリング描いちゃった)等のミスをしていたので、それが不合格の理由だったのかなと思います。

 

時間制限が厳しいので、描く速度を上げる必要がありますが、こればっかりはひたすら何回も何回も描くしかないです。

(人に教わることができる環境なら他の方法もあるかもしれません。)

あとはラクするテクニックを憶える。

フローリングは一部だけ描いて省略する、サイズはだいたいで描く、フリーハンドでごまかせそうなところはごまかす、道具を持ち換える時間が惜しいので円定規の端で直線をひく、等々。

 

あくまでインテリアコーディネーターを名乗るに相応しいか、最低基準の技術はあるかが問われるので、配色のセンスは悪くていいし、奇抜なプランにする必要もありません。

優等生的な解答でOKみたいです。

正直、本当にインテリアのコーディネートをするときは、グレーでまとめたり、アイボリーでまとめたり、とにかく色数を抑えるようにして、アクセントの指し色を入れるのが一番簡単にオシャレにできるかなーと思うんですが、試験でそれやっちゃうと単純に図面が見にくくなる(アイテムの境界があいまいになる)気がするので、少々センスが悪かろーが、はっきりした色分けをした方が良いかと思います。(色数だって18色までOKだし)

 

 

一方 論文なんですが、こちらは「Aさんにカーテンの提案をするとき、どんなふうに仕事を進めていきますかー?」とか、「Bさんの要望はこんな感じですけど、どんな提案をしますかー?」みたいな問いに対して、300字以内もしくは400字以内等の文字数制限の中で解答します。

確かキーワードが提示されて、その中から最低◯個使って書きなさい、という指定があったと思います。

 

2018年は、マンションの寝室の床材はフローリングとカーペットどちらがいいか提案するみたいな内容だったかなーと思います。

ちょっと記憶があいまいなんですが、「カーペットの方が吸音性が高くて階下に足音が響かないよ」「カーペットだとベッドから降りたとき裸足でもヒヤっとしないよ」「でも見た目がフローリングの方がいいというような好みもあると思うから、そう言う場合はフローリングの上にラグを敷くことをオススメするよ!」みたいな内容を書いたと思います。

 

一次試験の参考書を読み返してしっかり復習しておくと良いと思います。

あと、字は大きく丁寧に読みやすい字で書く。

 

二次試験での参考書は下記のものを使用しました。

 

図面の基礎用 

インテリアコーディネーター資格試験 はじめてのインテリア製図 合格する図面の描き方 第4版

インテリアコーディネーター資格試験 はじめてのインテリア製図 合格する図面の描き方 第4版

 

 

過去問で実践的な練習用

 

上2つはA4サイズで持ち運びたくなかったのでハンディ用

インテリアコーディネーター2次試験 完全攻略 (LICENCE BOOKS)

インテリアコーディネーター2次試験 完全攻略 (LICENCE BOOKS)

 

 

その他

 

三角定規の下面にマスキングテープを貼って少しだけ紙から浮かすようにすると、三角定規を動かしたときに鉛筆の線がすれて図面が黒く汚れるのを防げます。

 

字消し板は買った方が良い。 

ステッドラー メッシュ字消し板

ステッドラー メッシュ字消し板

 

 

1年目、小学校か中学校のときから持ってた水彩色鉛筆で挑んだけど水彩色鉛筆はやめたほうがいい。(滲む、汚れやすい)

 

インテリアコーディネーターの試験に合格することと、実際に住んでる部屋のセンスやちゃんと片付けができてるかは全く別ものという大問題。

 

合格後

 

インテリア産業協会の認定インテリアコーディネーターとして登録できるようになります。

登録料は5年で14,000円。

今後インテリアコーディネーターとして活動するかはさておき、私はとりあえず登録だけしました。